弥勒祐徳作品展のおしらせ

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~ただただ、魂を描きたかったとですな~
弥勒祐徳作品展のおしらせ

宮崎県西都市在住で、来年90歳を迎える画家・弥勒祐徳さんの個展が開催されます。みなさん、おそらく初めて耳にされるお名前と思いますが……すごいでしょう? なんと本名なのです。ご先祖は地元の仏師だった家系だそうで、終戦後、主に図工・美術科の教員として教壇に立ち、中央の画壇には目もくれず、ただひたすらに「美とは何か」、「絵とは何か」をひたむきに追求してきた方です。一昨年以来のおつきあいで、わが石風社では江戸時代の僧侶/仏師で宮崎に縁の深い木喰上人(もくじきしょうにん)の生涯を描いた弥勒さんの絵本『木喰さん』を出版し、それ以来のおつきあいなのですが、本年、その長年の功績により、西日本文化賞を受賞されました。その絵はある少女をして「おじぃ」(宮崎弁で「怖い」)とおののかせ、またある画廊主をして「絵が動いている!」と言わしめたそうです。ちなみに画像は1970年作の「別離」。村で亡くなった幼児の臨終の場面を描いた作品です。今回の展観では、シャガールを連想させる「サーカス」などの初期作品から、ライフワークである「神楽」や「桜」など、土俗的なテーマを70年にわたって描きつづけた弥勒さんの代表作が一同に展示されます。「(絵が)下手じゃけ」といつも謙遜しながら、物の外見ではなく、その本質=魂を描くことこそが絵なのだということを、これほどしんしんと悟らせる画家が、今、どれだけいるでしょうか?「美に醜あり。醜に美あり」(弥勒さんの言葉)。感動の作品展です。どうぞご観覧ください!【石風社・藤村 記】

2009/1/6[火]~1/18[日]
時 間 午前11:00~午後7:00 *最終日は午後5:00まで
会場:村岡屋ギャラリー(新天町南通り)
主催:弥勒祐徳作品展実行委員会

弥勒祐徳(みろくすけのり)…1919年宮崎県西都市生まれ。19歳から59歳までの約40年間、県内の小・中学校で主に美術科の教員を務める。1955年の宮崎県美展初入選以来、宮崎の神楽、桜、木喰仏など土俗や自然をモチーフに地道な創作を続け、個展回数は380回を数える。1990年宮崎県文化賞、2003年西都市民栄誉賞、2008年西日本文化賞を受賞。