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読書のへぇ〜

第1回「社名(誌名)に歴史あり」

書店・出版業界にまつわるトリビアを追うコーナー。第一回は「社名(誌名)」の歴史と由来です。 他業種ではありますが、たとえば「KWANON(観音)→キヤノン」、「江戸勝→エドウィ ン」など、意外に知られていないのではないでしょうか。
たとえば以下の3つは、まさに「社名に歴史あり」です。


丸善:
いわずとしれた老舗ナショナルチェーン書店。創業者は早矢仕有的という蘭学医なん だそうで、なんでも安政4年に江戸に上り、福沢諭吉のもとで学び、やがて洋書、医療品などを輸入販売するにいたった。のち明治になって横浜、東京に出店。このとき 早矢仕有的さんは丸屋善七と名乗り、輸入書籍の販売を本格化したらしい。このころの古書の巻末広告には、たしかに「丸屋善七」の屋号が掲載されています。


紀伊國屋書店:
伝説の創業者・田辺茂一氏の先祖は紀伊出身。もともとは本屋さんではなく薪炭業をいとなんでいたそうで、昭和2年、その薪屋さんのとなりに本屋さんを開業。現在の新宿本店がそれ。当時の建物は残っておらず、今のビルは東京都美術館を手がけた建築家・前川國男によるものだそうです。


中央公論:
「中央公論」の発祥は明治20年の京都。京都で西本願寺の普通教校(現在の平安高校) の創立有志学生たちが創刊した「反省会雑誌」が前進で、彼らを強力にバックアップしたのが、シルクロード探検で知られる大谷光瑞。現在の「中央公論」に誌名を変えたのは明治45年だそうです。


次にちょっと変わった社名の由来を持つのが以下。

ジュンク堂書店:
近年、全国主要都市に巨大店舗をつぎつぎと出店し、業界の台風の目となっている書店チェーン。本社は現在の三宮店(元の本店)にあり、社名の由来は現代表取締役社長の工藤恭孝氏の父親・工藤淳氏。そう。当時父・淳氏の経営していたキクヤ図書販売に入社したのち、書店部門を任された恭孝氏が、苦肉の策で「淳工藤」と父の名前をひっくり返したというのです。一方、佐野眞一氏の『だれが本を殺すのか』には病気で淳氏が「ひっくり返っていた」との談話が載っていて、どっちかというと後者のほうが関西らしい気がします。

ワニの本:
KKベストセラーズの「ワニの本」シリーズ。シリーズ名の由来は当時先行していた光文社の好評シリーズ「カッパブックス」に対抗して名づけられたそうです。「カッパ」(の売上)を食いたい。だったらワニがいい!というのが通説。本当でしょうか!?