事業報告書
BOOKUOKA 2006
〜福岡を本の街に〜
事業報告書
2006年10月16日(月)〜11月5日(日)までの3週間、福岡市都市圏部の各所を会場に、本と読者をつなぐ、さまざまなイベントを開催しました。催しを企画・実行したのは福岡市内で活動する書店・出版社・古書ほか関係業界の有志約15名ですが、11月3日(金・祝)〜5日(日)の3日間は約40名のボランティアスタッフの協力も得、全イベント大過なく終了することができました。ここに、ご支援いただいた関係各位への心からの感謝の意を表しますとともに、それぞれの催事の概況を報告し、来年以降の引き続きのご理解とご協力をお願いする次第です。
ブックオカ実行委員会一同
*会計報告
◎収入の部
項目 小計 備考
広告・協賛金収入 850,000 63件
一箱古本市出店料 65,000 1000円×65店
講演会参加費 128,500
本販売・手数料 3,990 11/3、11/4講演会場にて
収入計 1,047,490
◎支出の部
項目 小計 備考
パンフ等印刷費 294,000 パンフ30000部ポスター300部(4C)
スタンプラリー台紙印刷費 10,000 5000枚(裏表、1C)
広報費 45,000 タウン誌「ラポルテ」
講演謝礼等 231,877 謝礼・交通費・宿泊費
会場費 26,000 講演会場等4件
参考本代 5,000 カフェレシピ本等
通信費 50,000 発送代、サイト開設費他
雑費 145,580 表彰式、ボランティア昼食費等
記録費 146,506 ビデオ、写真等資材費
小計 953,963
次年度繰越 93,527
支出計 1,047,490
◎各イベントの報告◎
*00 ブックオカ公式パンフレット&ブックマップ制作
【概況】A2版2色刷りの公式パンフレットは市内のデザイン&リノベーション事務所「アポロ計画」の全面的なバックアップを得て30000部を制作。ロゴデザインはすべてのイベントや吊りポスターなど広報に統一して使用しました。裏面には福岡市内中心部の書店・古書店・イベント会場(バーやカフェ、トーク会場など)を網羅した福岡発の地図を掲載しました。
【実績】パンフレットは主に市内主要書店や雑貨店、カフェなどで配布。一部書店では3週間で1500部近い部数を配布、関心の高さが伺われました。
*01 第一回けやき通り一箱古本市
11月4日〈土〉11:00〜17:00
会場・けやき通り21商店の軒先
【概況】もともとこのイベントは東京の「不忍ブックストリート」の主宰者であるフリー編集者・南陀楼綾繁氏らのグループが発案したもので、「bookuoka」でも、今春の発起当初からこのアイディアを中心に据え、その他のイベントを加える形で全体を構成していった。幸いにも当日は心地よい秋晴れにも恵まれ、11時の「一日古書店」オープン前から、早速本を買い求める市民の姿が見られた。ピークは11時半〜13時くらいの間だったが、「この30年で一番の人出」(けやき通り某商店主)との感想も漏れるほどの盛況ぶりであった。15:00すぎには早々と在庫を売り尽くし閉店となる店もあり、平均して約7割という販売率であった。当日の販売冊数(各店主の報告ベース)や各賞の受賞結果などは以下の通り。
【実績】
1)出店箱数 82箱(一部掛け持ちで2箱以上を出店した参加者もあり)
2)総販売冊数 2,834冊
3)総販売金額 902,510円
4)受賞結果(授賞式会場・ヌワラエリア)
①売上金額賞
1位72,950円(古本やヌワラエリヤ)
→都築響一賞と重複のため選外
2位46,800円(浮木堂)→授賞式欠席のため選外
3位41,350円(古本けものみち)→授賞式欠席のため選外
4位38,100円(ブックスストア フンフ)
→授賞式欠席のため選外
5位33,100円(やまか古書店)
→南陀楼綾繁賞と重複するため選外
6位31,500円(風の書龍組)→受賞
②売上冊数賞
1位262冊(ギャラリーAZABU)
③ブービー賞
11冊(眺・ティアオ)←授賞式欠席のため選外
12冊(hinaka)←受賞
④都築響一賞 古本や ヌワラエリヤ
⑤南陀楼綾繁賞 やまか古書店
⑥一箱デコレート賞 ムスメのほまち
*02 都築響一 ロードサイドの誘惑
11月3日(金・祝)16時〜
会場・警固教会講堂
【概要】『TOKYO STYLE』、『ROAD SIDE JAPAN 珍日本紀行』、『賃貸宇宙』など、独自の視点から、この国の日常に潜む異景を切り取ってきた都築響一を招いたトークショー。当日はスライドを使い、自由な視点から美術を考える必要のあることや、身近な九州にもたくさんの面白い素材が転がっていること、さらには近著『性豪』からのエピソードなど、笑いの中に批評を織りまぜながらの凝縮した2時間だった。
【実績】トークショーの来場者は約80人、先だって行われた丸善福岡ビル店で記念サイン会も好評だった。
*03 南陀楼綾繁 街に出て本と遊ぼう
11月5日(日) 13時〜15時
会場・自然食品の店ファーム
入場料 1500円
【概要】「不忍ブックストリート」主宰で、一箱古本市の生みの親でもあるライターで編集者の南陀楼綾繁氏を招いたトークショー。南陀楼氏は前日の一箱古本市にも出品され、自らの生み出したアイディアがここ福岡にも飛び火したことを喜んでおられた様子だった。当日は各地で本と親しむ若者たちのイベントが広がりを見せつつある現状を、スライドをまじえながら紹介した。
【実績】来場者は約40人、学生中心の聴講者だったが、中には出版社や書店への就職希望者もおり、自らの未来図と重ね合わせつつ、本をとりまく世界の現在に刺激を受けていたようだった。
*04 福岡の読書人が選んだ絶対オススメの3冊フェア
【概況】福岡で活躍中の著名人57名に協力を仰ぎ、それぞれがお薦めの本3点をコメントつきで紹介し、市内14書店で分散して行った共同フェア。仕入れは各店が独自に行い、平均各点数5冊程度を展示した。
【協力店および推薦人(順不同、敬称略)】●ジュンク堂書店福岡店●
・山田修三(株式会社ピクニック代表)
「マスクロード 幻の伎楽再現の旅」野村万之丞/「我々はどこへ行くのか」川良浩和/「帰郷」辻内智貴
・佐々木喜美代(福岡市広報課長、元「シティ情報ふくおか」編集長)
「快楽主義の哲学」澁澤龍彦/「千夜千冊」松岡正剛/「寺山修司全歌集」寺山修司
・矢野寛治(コピーライター、西日本新聞書評委員)
「蝿」横光利一/「刺青」谷崎潤一郎/「銀の匙」中勘助
・樋口伸子(詩人)
「ハーメルンの笛吹き男」阿部謹也/「見えない都市」イタロ・カルヴィーノ「詩のカレンダー たのしい現代詩・初心者のために」安西均
・河村哲夫(「アクロス福岡」副館長)
「パラレルワールド 11次元の宇宙から超空間へ」ミチオ・カク/「ふぉん・しいほるとの娘」吉村昭/「天保図録(全5巻)」松本清張
●丸善福岡ビル店●
・甲斐大策(画家、作家)
「ヴァギナ 女性器の文化史」キャサリン・ブラックリッジ/「コーランの新しい読み方」ジャック・ベルク/「香り高き中国茶を愉しむ 中国茶入門」菊地和夫
・眞木健一(株式会社槇代表、「マキハウス」)
「男と女の家」宮脇 檀/「眼を養い手を練れ—宮脇檀住宅設計塾」宮脇塾講師室/「連戦連敗」安藤忠雄
・和泉僚子(福岡市総合図書館)
「失はれる物語」乙一/「火喰鳥」杉本章子/「ボーン・コレクター」ジェフリー・ディーバー
・青木裕司(河合塾世界史講師)
「大尉の娘」プーシキン/「ドクトルまんぼう青春期」北杜夫/「ドクトルまんぼう航海記」北杜夫/「カムイ伝」白土三平
・毛利一枝(装幀家)
「忘れられた日本人」宮本常一/「逝きし世の面影」渡辺京二/「絶望の精神史」金子光晴
・都築響一(編集者、元「ポパイ」「ブルータス」編集者)
「水源—The Fountainhead」アイン・ランド/「人生解毒波止場」根本敬/「ニャン2倶楽部Z」
●紀伊國屋書店天神店●
・櫻井進嗣(塾講師、洞窟探検家)
「精神病というこころ」松木邦裕/「いのちをつないで」賀久はつ/「思春期のよりよい親子関係」中野利子
・川上信也(写真家)
「こわれない風景」吉村和敏/「二つの風景 水」林望・野呂希一/「ビートルズ大学」宮永正隆
・板坂耀子(福岡教育大学教授、近世文学)
「羊の歌」加藤周一/「神聖喜劇」大西巨人/「南総里見八犬伝」滝沢馬琴
・有馬学(九州大学教授、日本近代史)
「戦中派不戦日記」山田風太郎/「私説 東京繁昌記」小林信彦(荒木経惟写真)/「間違いだらけのクルマ選び」(シリーズ)徳大寺有恒
・前田昌子(ワインコンサルタント)
「幻想薔薇都市」加藤周一/「フランス民話集」新倉朗子編訳/「いのちのまつり」草場かずひさ
●紀伊國屋書店福岡本店●
・沢田幸二(KBCアナウンサー)
「春にして君を離れ」アガサ・クリスティー/「夏服を着た女たち」アーウイン・ショー/「或る「小倉日記」伝」松本清張
・影平晶(KBCアナウンサー)
「クライマーズ・ハイ」横山秀夫/「モーパッサン短編集1、3」モーパッサン/「人形の家」ルーマー・ゴッデン
・村田喜代子(作家)
「胎児の世界」三木成夫/「ハート(心臓)大全」ルイザ・ヤング/「愛犬王 平岩米吉」片野ゆか
・屋成雄一郎(月刊はかた編集長)
「後世への最大遺物」内村鑑三/「これが私の優しさです」谷川俊太郎/「明治という国家」(上・下)司馬遼太郎
・橋本浩二(福岡バーテンダー協会、ハートストリングス店主)
「水は答えを知っている その結晶にこめられたメッセージ」 江本 勝/「日本一メルセデスベンツを売る男」前島太一/「花の季節ノート」倉嶋 厚・平野 隆久
●福家書店福岡店●
・千代反田 充(アビスパ福岡DF)
「国家の品格」藤原正彦/「虹とひまわりの娘」本郷由美子/「サウス・バウンド」奥田英朗
・前田秀一郎(オフィスヌーベルバーグ代表、福岡アジア映画祭ディレクター)
「映画術 ヒッチコック・トリュフォー」/「撮るーカンヌからヤミ市へ」今村昌平/「死ぬまでに観たい映画1001本」
・大塚ムネト(劇団ギンギラ太陽’S主宰)
「遠くへいきたい」(全3巻)とり・みき/「キャラ者」江口寿史/「映画秘宝Vol.6 底抜け超大作」
・坂田顕(書評家)
「ペスト」アルベール・カミュ/「火宅の人」檀 一雄/「小林秀雄全集」小林秀雄
・南陀楼綾繁(編集者、フリーライター)
「市井作家列伝」鈴木地蔵/「古本屋残酷物語」志賀浩二/「出版業界最底辺日記」塩山芳明(南陀楼綾繁編)
●福家書店キャナルシティ博多店●
・ジャンクリスチャン・ブーヴィエ(「世界のCMフェスティバル」プロデューサー)
「悦ちゃん」獅子文六(絶版)/「失われた時を求めて」M・プルースト/「東京モンタナ急行」R・ブローディガン
・田部光子(画家)
「天皇の逝く国で」ノーマ・フィールド/「わたしを離さないで」カズオ イシグロ/「日本・現代・美術」椹木野衣
・平田蘭子(ライター、「饅頭横丁」編集長)
「近世菓子製法書(1・2)」鈴木晋一・松本仲子編訳注/「食の体験文化史」森浩一/「東海道中膝栗毛(上・下)」十返舎一九
・福岡賢正(毎日新聞文化部)
「リトル・トリー」フォレスト・カーター/「あなたに平和が訪れる禅的生活のすすめ」ティク・ナット ハン/「アニミズムという希望」山尾 三省
●黒木書店天神店●
・小森陽一(「海猿」作者)
「水域」椎名誠/「海上保安庁特殊救難隊 限りなき挑戦」北岡洋志/「水滸伝」北方謙三
・弓削聞平(「epi」編集長)
「東京いい店やれる店」ホイチョイ・プロダクションズ/「ポパイの時代」赤田祐一/「撮られた暁の女」松尾スズキ
・永渕幸利(FM福岡パーソナリティー)
「蝉しぐれ」藤沢周平/「半島を出よ」村上龍/「司馬遼太郎対話選集3 日本人とは何か」司馬遼太郎
・安達ひでや(「アダチ宣伝社」代表)
「湯の宿の女」平岩弓枝/「ほんとにほんとにほしいもの」ベラ・B・ウイリアムス/「飢餓同盟」安部公房
●福岡金文堂本店●
・佐藤 弘(西日本新聞「食卓の向こう側」取材班)
「複合汚染」有吉佐和子/「弁当の日がやってきた」竹下和男/「食べ物さん ありがとう」川島四郎
・昇地三郎(しいのみ学園園長)
「人間の教育」フレーベル/「問題の子供」A.S.ニイル/「しいのみ学園」昇地三郎
・鍋島幹夫(詩人)
「寺山修司全歌集」(風土社)寺山修司/「戦後短編小説再発見2 性の根源へ」/「身体の零度」三浦雅士
・山下真理恵(気学研究家)
「わたしと小鳥とすずと—金子みすゞ童謡集 」金子みすず/「こころの花束」林田スマ/「東アジアのなかの日本古代史」田村圓澄
●積文館書店新天町本店●
・大田こぞう(FREEWAVE天神FM「日暮れ薬局」パーソナリティー)
「はてしない物語」ミヒャエル・エンデ/「だれも知らない小さな国」さとうさとる/「不思議な少年第44号」マーク・トゥエイン
・松本康(バー「ジュークジョイント」店主)
「コミさんほのぼの路線バスの旅」田中小実昌/「ボブ・ディラン自伝」ボブ・ディラン/「母なる色」志村ふくみ
・濱砂圭子(株式会社フラウ代表取締役、「子連れDE CHA・CHA・CHA」編集長)
「『ビミョーな未来』をどう生きるか」藤原和博/「吾輩は猫である」夏目漱石/「切りぬきスクラップギャラリー」金井美恵子
・山本源太(陶芸家)
「マルテの手記」リルケ/「変身」カフカ/「ホフマン短篇集 」 (収録「砂男」)ホフマン
●青山ブックセンター福岡店●
・松山真介(アポロ計画代表)
「竜馬がゆく」司馬遼太郎/「第二版 コンパクト建築設計資料集成 住居」日本建築学会/「発想する会社! — 世界最高のデザイン・ファームIDEOに学ぶイノベーションの技法」トム・ケリー
・都築響一(編集者、元「ポパイ」「ブルータス」編集者)
「水源—The Fountainhead」アイン・ランド/「人生解毒波止場」根本敬/「ニャン2倶楽部Z」
・木下雄貴(「CAFE SONES」)
「シュナの旅」宮崎駿/「おぞましい二人」エドワード・ゴーゴリー/「眺めのいいカフェ」山村光春
・原田郁子(バンド「クラムボン」ボーカル)
「Africa」Leni Riefenstahi/「FOIL VOL.1 no war」/「ひびこれハワイ アロハ・スピリットを伝える言葉ー」デブラ・F・サンダース
●リブロ西鉄平尾店●
・佐藤真由美(装飾デザイナー)
「フェリックスの手紙 小さなうさぎの世界旅行」アネッテ・ランゲン/「ネイティブアメリカン 叡智の守りびと」スティブ・ウォール/「10日でわかるはじめてのワイン」前田昌子
・げこげこ大王7世(かえる新聞編集長)
「蛙のうた—草野心平詩集」草野心平/「草の花」福永武彦/「ブリキの太鼓」(第1部、第2部、第3部)ギュンター・グラス
・斎藤ふみ(タレント)
「世界の終わりとハードボイルドワンダーランド」村上春樹/「今日は死ぬのにもってこいの日」ナンシー・ウッド/「日日是好日 お茶が教えてくれた15のしあわせ」森下典子
●あおい書店博多本店●
・砂田光紀(オフィスフィールドノート代表)
「忘れられた日本人」宮本常一/「近代建築再発見 下巻」山口廣・日大山口研究室他/「インハウスデザイナーは蔑称か」山本雅也
・林田スマ(作家・アナウンサー)
「道は開ける」(新装版)デール・カーネギー/「量刑」夏樹静子/「錦繍」宮本輝
・中西一清(RKBラジオアナウンサー)
「医者井戸を掘る」中村哲/「親父の出番」鳥越俊太郎/「食(く)あれば楽あり」小泉武夫
・粗忽家勘朝(落語家・笑い療法士)
「ホモ・ルーデンス」ヨハン・ホイジンガ/「ガダラの豚」中島らも/「エミール」ルソー
●ブックスキューブリック●
・南陀楼綾繁(編集者、フリーライター)
「市井作家列伝」鈴木地蔵/「古本屋残酷物語」志賀浩二/「出版業界最底辺日記」塩山芳明(南陀楼綾繁編)
・目黒実(九州大学ユーザーサイエンス機構特任教授)
「読書からはじまる」長田弘/「宮沢賢治」吉本隆明/「ファンタジーを読む」河合隼雄
・森光宗男(「珈琲美美」店主)
「一千一秒物語」稲垣足穂/「へたも絵のうち」熊谷守一/「魯山人の料理王国」北大路魯山人
・加藤信夫(毎日新聞編集局長)
「終戦のローレライ」福井晴敏/「経済学は誰のためにあるのか」内橋克人/「9条どうでしょう」内田樹
●ヴィレッジヴァンガード福岡大名店●
・とんちピクルス(ミュージシャン)
「死刑宣告」萩原恭次郎/「モンド・ミュージック2001」GAZETTE 4編集/「もの好きの食器棚と愉快な時間」堀井和子
・DJボギー(「ヨコチンレーベル」主宰)
「悪趣味映画作法」ジョン・ウォーターズ/「蛭子能収コレクション 地獄編 地獄の黙示録」蛭子能収/「あしたのジョー」ちばてつや
【実績】販売は平均2割弱程度で、フェアとしては、やや物足りない数字だったが、店舗によっては2〜3回の補充を行ったものもあり、また複数の推薦人の本をまとめて購入される読者もおられた模様。日頃競合する書店同士が、共同ブックフェアを開催できたのは福岡の書店業界にとって一つのエポックとなった。
*05 本の国体 全国ご当地本フェア
10月16日(月)〜11月5日(日)
会場・ジュンク堂書店福岡店
【概況】地方色溢れる全国の「ご当地本」が一堂に会したブックフェア。地方小出版流通センターの協力のもと、食・旅を中心に、近代化遺産・郷土誌など幅広いジャンルから約150点300冊ほどを取りそろえた。
【実績】売上実績はおよそ1割弱ともう一つ伸び悩んだが、「さぬきうどん」や「たこやき」関連書などやはりグルメ本は好調だった。次年度への課題とともに画期的な催事となった。
*06 ミニ絵本カーニバル 宮沢賢治の世界
11月3日(金・祝)〜5日(日)
会場・ギャラリーBIN
【概況】九州大学ユーザーサイエンス機構・子どもプロジェクト主催の「絵本カーニバル」のミニ版。今回は会場が小さいこともあり宮沢賢治の絵本に限っての展開となった。
【実績】会場となったギャラリーBINは、けやき通りのはずれの小さな会場だったが、並木の紅葉がよく見え、こんな場所にこんないい場所があるとは知らなかったという驚きの声が多く聞かれた。芳名帳記載の来場者は53名。子どもさんを入れると100名を超えていた模様。居心地のいい場所なので、長い時間読みふける来場者が多くどっぷりと賢治ワールドに浸れるとても評判のいい展覧会となった。親子連れ以外にも若い方の来場も多かった。
*07 読み聞かせオヤジバトル
11月4日(土)14時〜16時
会場・ギャラリーBIN
【概況】読み聞かせがお母さんのものだった時代は終わった。母親だけでなく父親も絵本の読み聞かせを通じて育児参加しようというメッセージをこめ、意気込んで企画した「男だけの読み聞かせ」。当日は、出演者が各1冊ずつ絵本を持参し得意の読み聞かせを披露、バトルという雰囲気を盛り上げるためプロレスのゴングまで小道具として使用。従来のお母さん方によるよい子のための読み聞かせのイメージから離れ、迫力あるライブな楽しみを提案する新しい試みとなった。来場者の拍手で決めた結果、三味線をつかった語りで「ねぎぼうずのあさたろう」を熱演した高山靖さん(東区在住)が優勝をさらった。
【実績】初めての試みで、出演者も公募だったため、イベントとして成立するか不安な催しだったが、蓋を開けてみれば出演者も5名に達し(当日飛び入り1名)、来場者は約50人。小さな会場に入りきれないほど集まった大盛況の催しとなった。当日は、西日本新聞、毎日新聞などをはじめ各紙報道陣も取材に 駆けつけるなど、このテーマに関する社会的な関心の高さが伺われた。特に西日本新聞では、後日ほぼ一面を使って特集記事を掲載するなど破格の扱いで主催者側も驚く反応のよさだった。
*08 ふるほにすと よみやげもの屋
11月3日〈金・祝〉〜5日(日)11:00〜19:00
会場・アポロ計画
【概況】読むおみやげ「よみやげもの」をテーマに本や雑貨を販売。国別の旅の本やどこの国のものかわからない不思議本、世界の切手など、誰かにあげたくなるアイテム満載の企画。よみやげもの屋の包み紙でラッピングされた、何の本かわからない一見寿司折りのようなワンコイン(500円)本も人気だった。
【実績】3日で150〜200人くらいの来場者(スタンプラリーなどの受け付け会場だったため客かどうかの線引きは難しいが、たくさん来られた模様)。
*09 ふるほにすとの古書室
10月21日(土)〜11月5日(日) 土日祝のみ 12時〜19時
会場・BOOK CAF-CONS
【概況】福岡のオンライン古書店7店舗が集う古書市。国語、家庭科、美術…と科目ごとに並ぶ古本。日替わりで店主も交替。約600冊程本を展示・販売。
【実績】トータル80〜100人くらいの動員。マックスで10人くらい集中して、本当に底が抜けるのではと危惧した時もあった程だった。場所が離れている割に、最後の3日間は結構集客した模様。
*10 カフェで再現! ブックレシピ
10月20日(金)〜11月5日(日) 各店舗の営業時間内
会場・福岡市内10軒のカフェ
【概況】福岡市内のカフェ10軒に、好きな本をモチーフにした料理やスウィーツを作ってもらう企画。絵本や小説等、本のセレクトにも各オーナーの個性が滲み出て多様なメニューが揃った。『kyushu eyes』誌とのコラボ企画として誌面で紹介された他、テレビ局も数社紹介してくれたことにより女性の集客が伸びた模様。それぞれのカフェの店主も楽しみながらやってくれていたのが印象的だった。
【協力店舗(順不同)】カフェ・ド・カッファ(警固)/グーテカフェ(警固)/カフェソネス(薬院)/ダーラヘストカフェ(薬院)/スラッシュカフェ(平尾)/ROSA ROSA(警固)/カフェアズー(今泉)/グリニョテ(薬院)/回(薬院)/アジカフェ(下川端)
【実績】実際にメニューを注文された人の数はカフェによっても差があるが、平均して20〜40のオーダー。メニューを目的に来店された方が3割〜4割、残りはそのメニューの存在を店内で知って注文された様子。リーフレットやテレビでブックオカの存在を知っている方が多く、お客さんと会話が弾むことも多々あったという意見が寄せられた。
*11 魅惑のブックカクテル
10月21日(土)〜11月5日(日) 各店舗の営業時間内
会場・福岡市内20軒のバー
【概況】福岡市内のバー20軒に、絵本をモチーフにしたオリジナルカクテルを作ってもらう企画。本のセレクトは実行委員長であるブックスキューブリック・大井氏が担当。20軒ものバーが参加するということで、各店舗気合いが入っており、カラフルで創造性豊かなカクテルが並んだ。「カフェで再現! ブックレシピ」同様、『kyushu eyes』誌での紹介の他、「読売新聞」西部版夕刊一面で大きく取り上げられた。
【協力店舗(順不同)】BAR HEARTSTRINGS(中洲)/BAR SAMBOA I(中洲)/Bar Higuchi(中洲)/あいす(中洲)/Vogue(中洲)/Bar Oscar(大名)/Bar Palmedor(大名)/BAR Velly(大名)/BAR coda(大名)/BAR LESAMOUREUSES(大名)/ONE(天神)/Bar St.Wave(大名)/スーサイドバー(大名)/ルッキーノ(天神)/ロクマルキッチン(警固)/テイスティ(春吉)/ハイサイ(警固)/バー ノート(警固)/Bar ORGA(警固)/AFTER THE RAIN(今泉)
【実績】実際にメニューを注文された人の数は、平均して10人前後くらい。カフェとは少し差が出た。メニュー目的の来店は2割くらい。カフェと比べると気軽に入れる訳ではないので、動員を上げるための装置が必要かなという印象だった。
*12 あなたの本を作りたい! オンデマンド出版展示会
11月3日〈金・祝〉〜5日(日)11:00〜17:00
会場・BAR coda
【概況】プロ・アマ問わず一般公募した本の展示会。昼間のBARを貸しきって開催。自分というフィルターを通した写真集や独自の世界観を作り出す絵本など、様々なジャンルの本が展示された。原稿を送るだけで一冊から作れる商品「PRIDIO」を活用した今回のイベントは、社会人はもちろん、学生や主婦に至るまで幅広い層の来場があり、閲覧・購入につながった。
【実績】3日間で160名強の動員(アンケート回収によるカウントですので、延べ人数はもう少しいたと思われる)。
*13 プロの編集者による出版よろず相談会
11月4日(土)13時〜
会場・ギャラリーモリタ
【概況】地元出版社の編集者有志3名が、原稿をあたためながら、さまざまな理由で出版の機会を得られない一般市民を対象に開いた「よろず相談会」。相談会に先だって原稿整理から編集、印刷、製本まで出版の行程をスライドショーで上映した。
【実績】スライドショーの来場者は約10名。出版相談会にも10名の相談者が来場し、写真集、詩集、画文集など、どのようにすれば出版が可能か、それぞれ約30分あまりの相談を行なった。
*14 珈琲美美所蔵・コーヒーの本展
11月3日(金・祝)〜5日(日)11時〜17時
会場・手の間
【概要】福岡のみならず全国のコーヒー好きの間で名店として有名な珈琲美美のマスター森光宗男氏所蔵のコーヒーに関する文献を公開した展覧会。
【実績】来場者 約150人、コーヒーを飲んだ方90人。会場となった「手の間」は、同名の雑誌を発行する編集部に併設のギャラリーで、漆喰の土壁が塗られた周囲の喧騒が嘘のように静かで落ち着いた空間。まだできて新しいこともあり、初めて訪れ新鮮な驚きを感じられた方が多かった。また、美美のコーヒーがお店で飲むより安く(300円)で味わえるとあって滞在時間の長い大変好評の展覧会となった。
*15 ブッチ&ナナのオトナの朗読会「濡れて読む」
11月4日(土)23時30分〜1時
会場・BAR coda
入場料 2500円(ワンドリンク)
【概況】地元FM局の人気パーソナリティー、MCブッチこと永渕幸利さんと田代奈々さんが、官能小説の大家・宇能鴻一郎の代表作「花じめり」、「若い患者」を迫真の官能ボイスで朗読した。
【実績】会場は天神の人気スポット西通りのバー。30名も入れば満席の会場だったが、予約が殺到、約10名ほど希望をお断りし、40名弱の来場者で賑わった。朗読者、観客とも仮面舞踏会風のマスクをつけるというアイディアで演出を試みたが、逆に場内の雰囲気が緊張に包まれてしまい、急遽永渕さんの提案でマスクを外し、トークショーに突入。その結果後半の作品は官能と笑いの同居するリラックスした雰囲気のショーとなった。
*16 STAMP RALLY
11月3日(金・祝)〜5日(日)
【概況】一箱古本市の出店者やブックフェアに参加した14書店、イベント会場ほか市内各所でラリー台紙を配布、3日間で20個のスタンプの集めた方に、出版社や酒類メーカーから提供された景品をプレゼントする企画。15に及ぶ各イベントや書店間の周遊性を高める目的で実施した。
【実績】
*17 君、誤植するなかれ 校正テスト
11月3日(金・祝)〜5日(日)
【概況】スタンプラリー用紙の裏面に、厳選した誤植問題20問を設問。一般市民に誤植と校正の面白さを体験してもらった。全問正解者には同様に景品をプレゼント。
【実績】
*18 広報関連
【概況】福岡発の業界有志による本のイベントであったことや、イベントの規模、さらに本という素材特有のニュース性からか、各方面好意的に取材・紹介をしていただいた。紹介された媒体は以下の通り(順不同)
西日本新聞(10/25、11/12)/朝日新聞(10/4、11/11、11/4)/毎日新聞(10/11、10/17、11/6)/読売新聞(10/11、11/18)/日本経済新聞(10/5、11/4)/佐賀新聞(10/6、11/10)/大分合同新聞/西日本スポーツ/スポーツ報知/九州スポーツ/新文化/新聞之新聞/天神経済新聞/プレス9/「kyushu eyes」/「fukuoka class」/「LA PORTE」/「アヴァンティ」/「リビングふくおか」/「シティリビング」/「九州ウォーカー」/「うふふ福岡」/NHK(11/2、11/4)/FBS(10/30)/KBC(10/28)/RKB/天神エフエム(ブックオカ特集 10/30〜11/1)/KBCラジオ(10/27)/FM長崎/FM福岡ほか
*19 協賛および後援
【概況】広報同様、第一回目であったにも関わらず、各方面から好意的な理解のもと、ご支援をいただいた。後援または協賛を頂いた団体・企業は以下の通り(順不同)。
協賛/(株)伸和 デジネスファクトリー事業部・(株)玉屋・(株)コスモスイニシア・明治屋産業(株)・(株)槇・Bar coda・岩田屋コミュニティカレッジ・福岡銀行けやき通り支店・リノベエステイト・けやき通り発展期成会・珈琲美美・正光印刷(株)・福永博建築研究所・前田家の食卓
後援/西日本新聞社・朝日新聞社・毎日新聞社・RKB毎日放送・九州朝日放送・福岡市総合図書館・福岡県書店商業組合・(株)トーハン・日本出版販売株式会社・株式会社 地方・小出版流通センター・福岡市・(財)福岡文化財団・(財)福岡市文化芸術振興財団・九州大学ユーザーサイエンス機構子どもプロジェクト・FREE WAVE TENJIN FM
協力/アポロ計画・はかた版元新聞・高橋酒造・書肆侃侃房・キリンビール
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