古書に関する古書を読んだ

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三連休の最終日。夜中に目が覚めてしまったので、本棚をつらつら眺め、昔買ってそのまんまにしていた本の中から一冊を手に取った。『東西書肆街考』。1979年の初版で、著者は脇村義太郎さん。で、何と1900年生まれ。きっとご存命ではないだろうが、「ブックオカ」に向け、勉強のつもりで読み始めたところ、これがとまらない。
日本における、いわゆる出版社の起こりは慶長年間の京都で、その名も「本屋新七」という人が起こしたんだそうだ。何だか冗談のような名前だ。当時の出版社は「版木」を所有し、印刷から販売(今の書店の仕事)まで一手にやっていたのが、大正・昭和と時代につれて出版は出版、印刷は印刷、本屋は本屋と分業が進んできたのだ。本文中には刊行当時の「本屋地図」も入っていて嬉しくなる。京都は本の街なのだ。福岡もこの「ブックオカ」を機に、ホントの意味で本の街になればいいなと自らを鼓舞しつつ読み終えた。

東西書肆街考
東西書肆街考

posted with amazlet on 06.09.19
脇村 義太郎
岩波書店 (1979/06)
売り上げランキング: 1,104,182

text by 藤村興晴 (石風社)