激オシ文庫アワード2011、結果発表!!

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ブックオカ2011の書店共通フェア、「激オシ文庫アワード」の集計が完了しました。
結果は以下の通りです。なお集計は参加44書店のデータを元にしています。

*◎総合
*★総合1位
*『佐賀北の夏』中村計(新潮社)
 【売上げ冊数】228冊
 【ノミネート部門】「3.11後を前向きに生きるための1冊」
 【激オシ人】木下大輔さん(黒木書店天神店)
 【推薦オビコメント】
 奇跡を起こした佐賀北ナイン。彼らは特別だったわけではない。僕らもきっと、この逆境を逆転できる。

*★総合2位
*『一命』滝口康彦(講談社)
 【売上げ冊数】123冊
 【ノミネート部門】「あの作家が10代で読んだ1冊」
 【激オシ人】白石一文さん(ブックオカ2007ゲスト)
 【推薦オビコメント】
 「士道小説の大家でいまも熱狂的なファン(かくいう僕も超の付く滝口ファン)を持つ滝口康彦先生の傑作選(ベスト盤)がこの「一命」です。今回作中の一篇「異聞浪人記」が「一命」と題して映画かされ目下話題の短編集でもあります。とにかく読み始めたら止まらない!武士の世界の厳しさ、ものがなしさ、いさぎよさを皆さん、是非味わってください。

*★総合3位
*『自分の中に毒を持て』岡本太郎(青春出版社)
 【売上げ冊数】112冊
 【ノミネート部門】「あの作家が10代で読んだ1冊」
 【激オシ人】内沼晋太郎さん(ブックオカ2009ゲスト)
 【推薦オビコメント】
 今年、岡本太郎の生誕100年にちなんで、とある仕事で、彼の著作20冊ほどを立て続けに読む機会があった。学生時代に何冊か読んだような記憶があったけれど、しばらく忘れていたので、短期間で行ったそれはまさに、いまにも太郎が乗り移るような体験だった。そしてその言葉の乗り移らんばかりの強度と同時に、より衝撃的だったのは、毒性だ。読んでいると、太郎のものの考え方が、どうにも自分と似ているような気がする。もちろんすぐに、それは逆だとわかる。無自覚のうちに、学生時代に読んで回った「毒」が、ぼくのものの考え方にいまなお色濃く影を落としているようなのだ。つい最近まで自分のものだと思っていた、仕事観や恋愛観、人生観。これらのいくつかが、実はまるで太郎の受け売りだったということが、読めば読むほどわかってくる。偶然にも生誕100年というタイミングで、まさか自分が太郎の劣化コピーだったという衝撃には、さすがにしばらく呆然とさせられた。10代のときに読んだ『自分の中に毒を持て』。まさにこの本が持っていた太郎の「毒」が、知らずのうちにぼくの血管を巡り、ぼく自身の「毒」となっていたというわけだ。この本を読むあなたにも、いつかぼくと同じ「毒」が回って、知らないうちに大きく道を踏み外しているかもしれない。けれどそれは、結構たのしい。

*◎部門別
*★「あの作家が10代で読んだ1冊」部門1位 
*『一命』滝口康彦(講談社)
 【売上げ冊数】123冊
 【激オシ人】白石一文さん(ブックオカ2007ゲスト)

*★「3.11後を前向きに生きるための1冊」部門1位  
*『佐賀北の夏』中村計(新潮社)
 【売上げ冊数】228冊
 【激オシ人】木下大輔さん(黒木書店天神店)

*★「いま、この古典がバリやばい。」部門1位  
*『乙女の古典』清川妙(中経出版)
 【売上げ冊数】97冊
 【激オシ人】壁矢恵衣さん(Aブック穂波店)
 【推薦オビコメント】
 最初は表紙買い…だったけどこれは…イイ! いつの時代も恋する乙女は強く美しいものですね。

●総売上げ冊数(44店)
 1825冊
●消化率(売上げ冊数/初回仕入れ冊数)
 40.8パーセント