千野帽子トーク「読まず嫌い。〜名作入門5秒前」
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11/6(金)、新刊『読まず嫌い。』が好評の文筆家・千野帽子さんを迎えてのトークショーがおこなわれました。過去の著作の造本の話題に始まり、「いまボクが書いていることは、ここ10年で読んだ本の貯金でしかないのですよ」という意外な告白(?)、「書評される側にとっては(言いたいことを言う)ボクに当たったことが1つの不幸」など、観客の「読まず嫌い」な心をときほぐすハイテンポなトークで前半は怒濤の展開。
後半は観客からの読書相談や、千野さんのエンターテインメント文学観、そして池澤夏樹さんの編んだ『世界文学全集』をめぐってご自身が夢想する「文学全集」にまで話題は広がり、最後は「昔は本を読むことって、別に特別なことじゃなかった。いまの時代に本を読んでいる人は、昔の本読みの末裔ではない。たとえて言うなら本を読むことが当たり前だった時代に盆栽をやっていたような、もっと希少な人びと。ここ(トーク)に来ている人はそんな人なんです」という趣旨の発言で締めくくられました。
「なぜ本を読むのか」「なぜ本が好きなのか」といったことの説明のしづらさについて、ノドに刺さったトゲが抜けたような気にさせられた爽快な一夜でした。
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